エコ生活日誌

「未来可能性」の最大化 〜実践と思考の日々

ごみゼロ宣言のまち・上勝町を訪問 〜その③町の取り組み

前回に引き続き、上勝町の「ごみゼロ」の取り組みです。

 

リユース(再使用)推進拠点の「くるくるショップ」・「くるくる工房」

「くるくるショップ」はゴミステーションの奥にあり、ごみを持ち込んだ町民が、ついでにのぞいていくことができます。

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大きなものは本棚や鏡台などの家具・電化製品、小さなものは陶器の皿や湯呑、ガラスのコップのほか、本もぎっしり。ガラスケースに入った人形もあります。別室には古着もたくさんありました。

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ここへの持ち込みは町民のみですが、欲しいものは誰でも無料で持ち帰りができます。

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持ち込み時と持ち帰り時に計量し、記入します。月平均で250kgの持ち込みがあり、持ち帰りが208kgで、毎月平均200kg以上の品物がリユース(再使用)されているそうです。

 

「くるくる工房」はゴミステーションの隣の建物の中にあります。

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入って正面に売店

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上勝町をPRする書籍やリーフレットの販売

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手作り布ぞうり

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鯉のぼりの生地を使ったバックや布袋、財布など

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地場産のハスを使った「はすの実飾り」

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これも自然の草木利用、この植物は何?

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抱き枕か。

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布細工のアクセサリー各種

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左手の部屋では女性が作業をされていました。

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古着から採った毛糸の玉

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機織り機

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町内の女性たちが、不要となった衣類・布類や布団を打ち直した綿を使ってユニークな商品を制作・販売しています。こいのぼり生地の鞄や浴衣生地のふんどしなどが好評だそうです。

 

上勝町訪問の感想

上勝町の町おこしについて

原動力は危機感だと思います。50年前から人口減少が続き、6000人あった人口は現在1600人台、しかも高齢化率は50%。林業が衰退し、柑橘類の生産以外これといった産業のない町。このような背景が「よそモノ」や「新しい考え方」を受け入れる素地となり、「葉っぱビジネス」や「ゼロ・ウェイスト」による産業・観光(視察ビジネス)の進展につながったと考えます。

・ごみゼロについて

上勝町の人や生活が特に変わっているわけではないと思います。町内にコンビニはありませんが、車で山を降りればスーパーもあり、週に何度かは買い出しに行き、市街地に住む方と同じようなモノを消費しています。日本に住んでいてモノ(ごみ)の入口を変えることは難しそうです。上勝町内に出来た素晴らしい「量り売りの店」(以下の写真は地ビール工房「 RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store 」に残る量り売りスペースと容器)も町民の利用が少なく、存続が出来なかったそうです。しかしチャレンジは素晴らしい。

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ごみの出口である「分別」は日本人の気質なら十分にマネの出来るレベルです。要は、生ごみ処理のハードル(コンポストの普及)をどこまで下げるか、ゴミステーションの場所、運営主体、採算確保など、ネックとなる要素をクリアすれば上勝町と同等のゴミ処理は可能となります。あとは行政と市民の意識・主体性の問題です。

 

(おわり)