エコ生活日誌

「未来可能性」の最大化 〜実践と思考の日々

自然エネルギー革命をはじめよう 〜地域でつくるみんなの電力

 greenzにも投稿しているノンフィクションライター高橋真樹氏の著書。

自然エネルギー革命をはじめよう: 地域でつくるみんなの電力

自然エネルギー革命をはじめよう: 地域でつくるみんなの電力

 

 目次

はじめに ーエネルギーシフトへのカギ

プロローグ ーあなたの町に電力会社をつくろう!

1章 地域でつくるみんなの電力

 市民風車に風が吹く

 「おひさまの町」からはじまる太陽光革命

 「省エネ」という発電所

2章 世界初!自然エネルギーによる災害支援

 眠れる巨人、太陽熱の底ヂカラ

 太陽光おじさん、走る

 100年の森をつくりたい

3章 日本版「自然エネルギー革命」をはじめよう!

 3・11後の「エネルギー・デモクラシー」

 次世代のためのローカルビジネス

 地熱大国ニッポンの夜明け

 市民電力会社をつくろう!

あとがき ー「日本」というシステムを転換するために

 

東日本大震災をきっかけに再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が成立し、2012年7月1日から開始。FITは社会に自然エネルギーを広める起爆剤の役割を果たすことになりました。

 

市民が取り組む自然エネルギーを利用した発電施設は地域の特性により、様々なものがあり、紹介されています。

風力発電

・北海道、東北、九州は風況が良く、適地。海上に風車を建てられれば可能性がひろがる。

市民風車第1号は北海道グリーンファンド(生協をベースとしたNPO)の「はまかぜちゃん」。グリーンファンドへの参加者は毎月の電気料金に5%分の寄付を上乗せしてファンドへ支払い、5%は基金として積み立てる。建設費の大半は「市民出資」で、1億4千万円集めた。2001年9月日本初の市民風車が誕生。

・2012年8月現在、市民風車は14基、出力は合計2万1750kw。

 ◯太陽光発電

・長野県飯田市は「まほろ事業(環境と経済の好循環のまちモデル事業)」の採択を受け、2004年から地域ぐるみでの太陽光発電プロジェクトが立ち上がった。NPOが中心となりスタート、後に「おひさま進歩エネルギー株式会社」(「おひさま進歩」)を設立。市民出資ではエネルギーを創る事業(創エネ)と、省く事業(省エネ)に投資。2010年からは一般の家庭を対象とした「おひさまゼロ円システム」を開始。希望者の自宅に無料でパネルを設置し、月2万円前後を電気料金として「おひさま進歩」に支払う。9年後支払い期間を終えると、設備はそれぞれの家庭のものとなる。

◯小水力発電

「おひさま進歩」が2012年3月から富山県立山アルプスにて小水力発電を開始。小水力発電は時間あたりの発電量は少ないが、年間を通して安定して発電が出来るため発電効率は優秀。市民出資での小水力発電は日本で初。

 

また自然エネルギーを利用した市民の取り組みについては、森林資源を有効に活用しする「木質バイオマス」、災害支援としての「太陽熱温水器」「太陽光パネル」の設置などが紹介されています。

 

市民出資による発電施設の建設・運営は先駆者がおり、また環境エネルギー政策研究所(ISEP)のような支援組織があることがわかりました。今後は地域により有効な自然エネルギーは異なりますので、地域特性を意識しながらエネルギーの地域循環を推進していくことが大切だと思いました。

 

(おわり)